よくある質問faq

1.製品・物性

Q1-1

ALCとは何ですか?

ALCとは、Autoclaved lightweight aerated concrete の略で、セメント、石灰質原料およびけい酸質原料を主原料とし、オートクレーブ (高温高圧蒸気)養生した軽量気泡コンクリートのことをいいます。
1960年代前半に北欧からその技術が日本に導入されて以降、ALCに鉄筋などの補強材を埋め込み成形したALCパネルとして、様々な技術開発が行われ、現在では低層から超高層までの様々な建築部位で高品質・高性能の建築材料として幅広く用いられています。

Q1-2

クリオンALCパネル製品の特長について教えてください。

クリオンALCパネルは、耐火・遮音・断熱性に優れており、重さは普通コンクリートの約1/4と軽量です。
また、人体に有害なアスベストや、ホルムアルデヒドを含んでいません。

Q1-3

製品ラインナップを教えてください。

クリオンALCパネルは厚形パネルと薄形パネルがあります。
耐震性に優れる「工場埋設アンカーパネル」を中核とした厚形パネル、共同住宅や店舗、木造住宅など幅広い用途に使用できる薄形パネルがあり、中低層建築物から超高層建築物まで、あらゆる建築物を対象とした、豊富なパネル種類・仕様をラインナップしています。詳しくはカタログをご参照下さい。

Q1-4

工場埋設アンカーパネルとは何ですか?

取付け用のアンカー金物を、あらかじめパネル製造段階において、パネル内部の補強筋(鉄筋)に堅固に溶接固定し埋設したパネルです。

Q1-5

クリオンALCパネルのリサイクルは可能ですか? 

環境省から「廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく産業廃棄物の広域的処理に係る特例(広域認定制度)」の認定を受け、建築現場で発生するクリオン端材を回収して再利用できるリサイクルシステムを構築しています。

2.耐火

Q2-1

クリオンALCパネルの防・準・耐火認定番号について教えてください。

屋根および壁(外壁・間仕切壁)の耐火構造については、建築基準法第2条第7号の規定に基づく「耐火構造の構造方法」が、「平成12年建設省告示第1399号」により定められており、告示仕様が例示されています。詳細はこちらをご確認下さい。

クリオンが取得している防・準・耐火番号についてはこちらの認定書をご確認下さい。

Q2-2

クリオンALCパネルは不燃材料ですか?

不燃材料です。ALCは、「平成12年5月30日建設省告示第1400号」で不燃材料として規定されている「コンクリート」に含まれるものとして扱うことができます。

Q2-3

クリオン外壁パネルの下地鋼材・取付け金物の耐火被覆は必要ですか?

下地鋼材および取付け金物の耐火被覆については、国研)建築研究所監修による「ALCパネル防耐火構造(告示仕様)設計施工標準」に記載があります。
【下地鋼材が構造上十分な厚さ、断面を有するとともに、火災時にパネルの自重以外の荷重負担を想定していない場合には、一般に防火被覆などの耐火上の措置は行われていない。】
【取付け金物は、・・・(中略)・・・、昭41住指発第59号には「耐火パネルを支持するための金属製取付け金物については鋼材等とする」ことが規定されている。また、既往の耐火試験では、防火被覆されていない取付け金物の溶融および著しい有害な変形が生じないことが確認されており、取付け金物には耐火上の措置は一般に行われていない。】
クリオンでは上記内容を鑑み、耐火被覆は特に必要ないと考えます。
なお弊社の考えは、個別物件の特別な行政指導に対し異議を申し立てるものではありません。

3.仕上げ

Q3-1

クリオン外壁パネルに適した仕上げ塗材について教えてください。

仕上げ塗材には複層塗材E(アクリルタイル)が適しています。水の蒸発により樹脂が造膜していくため、塗膜の強度発揮がゆっくりしており、ALCパネルは表面強度が低いためクリオン外壁パネルにも適した仕上げ塗材です。

Q3-2

クリオンALCパネルに内装仕上げをせず素地のまま使用することはできますか?

クリオンALCパネルの素地状態は、傷つきやすく、また表面からの微粉末の落下やパネルの汚れ・補修跡が目立つことがありますので、表面保護・美観性の確保などのため内装仕上げを施す必要があります。

Q3-3

クリオン外壁パネルに適したシーリング材について教えてください。

パネル間のシーリング材には、ポリウレタン系を標準としています。モジュラスが低いもの(50%モジュラスが0.3N/mm2程度のもの)を採用してください。

シーリング材選定の目安

目地の
ムーブメント
シーリング
表面への
塗装の有無
耐久性区分
9030 8020 7020
2成分形変成
シリコーン系
2成分形
アクリル
ウレタン系
1成分形変成
シリコーン系
ポリサル
ファイド系
2成分形
ポリウレタン系
1成分形
ポリウレタン系
アクリル系
ワーキング
ジョイント
あり
なし
ノンワーキング
ジョイント
あり
なし
  • ※耐久性が優れている順としては、耐久性区分9030・8020・7020の順です。
  • ※ポリサルファイド系は、経時変化でモジュラスが高くなる製品があり、
    ムーブメントの発生でクリオンパネルの表層面を破壊するおそれがあるため不適としております。
  • ※シーリング材の種類、耐久性区分はJIS A 5758-2016(建築用シーリング材)によります。
  • ※表中で○印を付していないものでも、事前検討すれば適応可能な場合があるため、シーリング材製造メーカーにご確認願います。

Q3-4

目地消しはできますか?

建物の挙動などにより亀裂や剥離を生じるおそれがあり、漏水の原因となる恐れがあります。また目地部の段差が目立ちますので目地消しは避けてください。

4.設計・施工

Q4-1

「公共建築工事標準仕様書」のALCパネル工事に記載されている種別と、
クリオンALCパネルの部位別構法との関連性について教えてください。

「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」によるALCパネル工事の種別とクリオンALCパネルの部位別構法は下表をご参照ください。

外壁パネル構法

種別 構法 クリオン構法
A種 縦壁ロッキング構法 CDR構法
B種 横壁アンカー構法 横壁アンカー構法

間仕切壁パネル構法

種別 構法 クリオン構法
C種 縦壁ロッキング構法 CDR構法
D種 横壁アンカー構法 横壁アンカー構法
E種 縦壁フットプレート構法 フットプレート構法

屋根・床パネル構法

種別 構法 クリオン構法
F種 敷設筋構法 敷設筋構法

Q4-2

クリオン外壁パネルの最大長さを教えてください。

外壁パネルの最大長さはパネル厚さの41倍となります。(厚さ150mmは6,000mm) また外壁パネルの最大支点間距離は厚さの35倍となります。
※支点間距離とは、パネルの取付けアンカー間の距離のことで風圧力が大きくなるとパネルの強度上支点間距離が短くなり最大長さが短くなる場合があります。

Q4-3

クリオンALCパネルの加工基準について教えてください。

孔あけ・切欠きなどの加工は、パネル強度の低下を招きますので、原則として避けてください。やむを得ずパネル加工を行う場合には、下図の孔あけ・切欠き加工基準以下としてください。
また、クリオンでは、設備開口などの孔あけ加工が下図よりも広範囲で行うことのできる特殊補強を施した「SLパネル」「WLパネル」もご用意しております。

外壁パネルの切欠・加工基準(DSパネル・DDDパネル・PAパネル共通)(各部位共通)

切欠き(パネル1枚につき1箇所) 孔あけ(パネル1枚につき1箇所) 溝堀り(パネル1枚につき1本)
  • ※図の は工場埋設アンカーなどによるパネル支持点/L:パネル長さ/W:パネルの幅

アンカー周辺の欠込みは絶対不可

このような加工は絶対避けてください

・クリオンテクニカルハンドブック:外壁パネルの製品-パネルの計画 抜粋

Q4-4

クリオンALCパネルが欠けた場合、どの程度の欠けなら補修して使用してもよいか教えてください。

補強鉄筋が露出しているような欠け・パネルの幅や長さ方向全体にひび割れがみられるなど、大きく欠損したパネルは使用しないでください。 補修して使用できる欠損の目安は下図に示す通りです。

補修して使用できる欠損部分の大きさの目安(各部位共通)

欠損箇所 補修可能の大きさの範囲


●パネル長さ方向の欠け
1≦80mm
1≦300mm

●パネル幅方向の欠け
2≦h/2
b2≦80mm





d≦40mm
ℓ≦300mm

・クリオンテクニカルハンドブック:工事の管理ポイント 抜粋

Q4-5

躯体とALCの内づらまでのクリアランスについて教えてください。

構造躯体とパネル内面との間に設けるクリアランスは、構造躯体の建て方誤差を吸収しパネルの施工精度に悪影響を与えないよう、且つ、取付け金物が柱などに干渉しないよう35mm程度のクリアランスを設けてください。

Q4-6

隣棟が近接して外装仕上げ工事ができない場合はどうすればよいですか?

パネル建て込み後に外装仕上げ工事ができないような狭小地のためにクリオンでは、あらかじめ工場で吹付け塗装を施した「相番パネル」をご用意しております。詳しくはお問い合わせください。

Q4-7

倉庫業法対応SGパネルについて教えてください。

SGパネルは、倉庫業法に規定される外壁の強度2500N/m2に耐えられる強度を有し、荷崩れなど、万が一の衝撃に対してパネルが脱落などの被害をもたらす可能性を最小限にとどめることができるパネルです。 高さ31m以下の大型物流倉庫などにご採用いただけます。